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肉屋の仕事、ときどき趣味の日々
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 先日、友人からBBSの方で紹介されて初めて知ったLの季節 ダブルポケットですが、よくよくトップ画像を見ていたら、ふと不吉なことが頭をよぎりました。あ、ちなみに核心的なネタバレ話なので、できればシリーズを一通りクリア済みの方のみ続きをどうぞ。






これ、もしかして一年前のあの死の妖精なんでは?



 一見しただけではなんだ新キャラかと思っただけだったんですが、よくよく絵を見てみると、星原と対となる配置、エルフ耳(星原=死の妖精を原型として作った双葉と同じ)、中等部の制服(同一ではないのはリアレンジされた?)、などなど気付いてみるとこれでもかというアピールっぷり。つまりあれか、最早話に横幅を持たせるくらいしか改変余地はないだろうと思っていたら、困ったときの定石、過去編か。ついに禁忌の領域に手を出すのか。

 なぜ禁忌かと言えば、2をプレイした方にならわかってもらえるとは思いますが、現在のDivision2のチームで作ったら、確実に過去編は1で僕らが数少ない情報から思い描いたイメージをぶち壊しにするであろうからです。もちろん思い出補正とかピントが合っていないからこそ綺麗に見えているという側面もありますが、なにより2での星原さんを初めとした登場人物の描き方を考えれば、過去編の死の妖精は最早まったくの別物になるといえます。以前出した現実界考察本でも触れたことですが、2での人物の扱いはまったくの"キャラクター"であり、記号的な要素の集積から出力を得ているようなものでした。本来の、Lの季節という作品は、人物の背景には彼らを形作るきっちりとした歴史があり、その最たるものが"1年前の事件"という過去でした。彼らとの会話やそのときどきの反応には、ツンデレだとか電波系だとか、そういった判で押したようなキャラクター性ではなく、そのような言動に至る明確な原因や理由がありました。ただなんとなくそれっぽいからという投げやりな描かれ方ではなく、確固たる人物の描写によって、初めて彼らはLの季節という物語の中に存在しているのです。そんな彼らを未来において捻じ曲げてしまっただけでは飽き足らず、彼らの存在を支える過去の歴史まで捏造するというならば、それは禁忌に触れること以外の何物でもありません。
 ただ移植で売上がほしいならそのままなにも改変せずにやればいいんです。それならば少なくとも僕も文句はありません。しかし、一度発表した作品に手を加えるというならば、それはよくよく考え抜いた末に行われなければならないことです。2の発売から1年。果たして製作陣が十二分な時間を費やしたのか、僕には甚だ疑問です。会社のどのレベルから要請が出たのかわかりませんが、その指示は決して正しいものではなかったと僕は思います。




 ここからは酷く個人的な蛇足なんですが、なにより悔しいのは、我慢しておけば少なくとも買わないという選択もできたのに、こういう喧嘩を売るようなことを書いてしまった以上、僕自身が持ってもいないPSPのゲームを本体ごと買わなければいけないということです。確認がとれていないことを予想で書いたのだから、そのウラを検証しないわけにはいきません。予想が正しければそれについて更に踏み込んだ言及をし、間違いであったならば先走ったことを反省し、その上で新たな考察をしていく。それをしなければ、単なる書き逃げになってしまいます。しかしソフトを買うということはその時点で売れれば何でもいいという企業論理に一度敗北することでもあるわけで。僕のこのやるせない想いは果たしてどこに持っていけばいいんでしょうか。もちろんゲームを買って即行クリアしてそこでぶちまける想いに上乗せする気は満々です。












とりあえず覚悟は完了した。




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コメント
無題
お前の覚悟になんか全俺ほどじゃないが、感動した。

確かに、いろいろと文句(意見)を述べるならまずはそれを発言できるだけの確固たる基盤が必要。
金銭を支払い、時間を割いて、プレイした結果があって初めて声高に「つまらない」「これはだめだ」と言えるわけだしね。
【2009/09/11 06:23】 NAME[衛波 晶] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
まあ、それだけの投資をしてネガティブな予想と事実が一致したときの虚脱感といったらちょっと言い表しようの無いものがありますが! それでも一度は愛したゲーム、最後まで看取ってやるのが親心ってものでしょう。でも、これ以上酷くなる一方だと、いっそ自ら組み直してしょうじゃなくてこうだろ!って開発部に送りつけたくなりそう(苦笑)
【2009/09/11 22:35】


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