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肉屋の仕事、ときどき趣味の日々
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 気付いている人もいるかもしれませんが、確か今年の初めあたりにTINAMI(あとpixiv)に登録しまして、ブログに載せてる絵はだいたいそっちにも載せてるんですが、そこにラウンジっていうコーナーがあるんです。TINAMIユーザ間の交流の場として、BBSやチャットみたいなことから、はてなのQ&Aみたいな感じで作品についてのアドバイスを募ったりできるんです。そこであるユーザが「自分の絵に"魅力"を感じられなくなったので、どうすればいいのか?」という質問を投げかけていました。下手の世話好きな僕ですから、他の人が既に行っていたアドバイスにも目を通して、できるだけまだ出てない意見を言おうと思ってたら、まあ案の定いつもの冗長な文章をひとつ作り上げてしまったのが昨日のこと。
 そして今日見てみたら早速質問者からのレスポンスが返ってきていたので読んでみたら、「基礎的な話よりもどう魅せればいいのかが知りたかった」とのこと。うーん、どうやら問題の趣旨に行き違いがあったようです。


 僕は「魅力ある絵を描くには何をすればいいのか?」というふうに質問を解釈していたんですが、質問者は「自分の絵をどう描けば魅力的に見えるか?」という意図であったようです。手段ではなく技術。確かに質問文を読み返してみると、そのような意図があるようにも見えます。
 しかし、僕は模写や他人の絵のトレースでは"何かが違う"という質問者の違和感を解消するには、萌え絵の定石に沿った表面的な指摘では不十分だと思ったのです。僕も未だに"何かが違う"という感覚を持つ絵描きの一人です。僕が思うに、この違和感の源は自己の理想するイメージと実際に描いた作品との齟齬にあります。自分が魅力を感じる絵は思い描くイメージに当てはまる要素をある程度含んでいるんだと思います。だから魅かれる。でも完全ではありません。この世に自分の理想を完全に体現した他者の作品なんて有り得ないと僕は思っています。だから、誰でもない自分が描くのです。自分だけの理想を形にする。こんな面白いことはやらずにはいられません。絵描きに限らず、何らかの形で創作する人間にはみんな当てはまることだと思います。
 故に、"何かが違う"という違和感を解消するためには、自分自身の目で見て、頭の中に再構築し、自らの手で描かなければならないのです。その過程において他者から受ける個々の作品への批評は、究極的にはお互いの理想の摩擦の結果でしかありません。もちろん、その指摘により今まで気付かなかった新たな魅力を見出すこともあるかもしれませんが、それさえも自分自身で"見出す"過程が必要なのです。
 だから、魅力的な絵を描くためにどうすればいいのかという問いに端的に答えるならば、「魅力を感じる女、絵を見、それを頭の中で分解して再構築して女体を思い通りこねくり回せるまで脳を鍛え上げ、それを寸分違わぬよう再現できる手腕を身に付けろ」ということになります。この場合、脳内彼女・嫁は多いに越したことはありませんが、僕の場合は本当に惚れぬかないと脳内に住まわせることができないので、未だにそのレベルにあるのは創作キャラを除けばLの季節の星原百合だけだったりします。まあその星原さんでさえ想いが強すぎて描いても似ないことに胸を痛めるのが嫌で滅多に描かないんですけどね! 未だに納得できる星原さんの姿を描けたことはありませんが、なんでか落書きで描いた夕焼けの屋上に佇む星原さんの絵はpixivにアップした僕の絵でダントツの得点力を発揮してます。何故だ。


 話が逸れましたが、とにかく自分で十分に体験して得たものがなくては、魅力的な絵なんて描けないはずです。僕は信念を持って絵を描く方の作品を見るたびに、単なる技術の優劣なんてものを超越した、最早単なる絵とは思えないほどの、しんとした穏やかで力強い存在を感じます。それは自分の理想のイメージが見る人間を圧倒し、その中に包み込んでしまうからだと思っています。
 逆に、ギャルゲーなどの萌え絵の定石というのはある意味で大衆の最大公約数のようなものだと思います。どれだけより多く個々人が抱える理想に浅く広く重なるような絵を描くかが問題であり、そこに主義・主張はあまり関わりません。もともと商用であるため、より大きな需要を生むことが最重要課題となり、結果として"萌え"るの気持ちの度合いよりも、"萌え"る人間の数が問題になるものだと思います。でも、そんな八方美人のようなことをして、果たして最初にペンをとったときに心に思った自分の理想を形にすることができるでしょうか?



 絵の上手い人はたくさんいます。多くの人気を集める方も多くいます。しかし、本当に魅力のある絵を描く人に、残念ながら僕は片手さえ十分に指折れない程度にしか出会ったことがありません。
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